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浄土るる「鬼」―第84回小学館 新人コミック大賞〈青年部門〉佳作受賞作品― 人間の悪意と思考を蝕む集団的同調思想の恐怖

 

こんばんわ。

今回はTwitterで最近話題になったマンガについて少々思ったことがあったので軽い言論をば。

 

※この作品は1人の女の子を「いじめ」を含む悪意が全面的に出てきますので苦手な方はトラックバックして下さい。

 

話題の作品は下のリンクからどうぞ。

shincomi.shogakukan.co.jp

 

 

浄土るる「鬼」

 

浄土るる「鬼」17歳

 

最初に審査員のコメントのスクショ置いときますね。

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審査員の方々の感想

 

今作品はつい最近Twitterで話題になっていた作品です。

 

お世辞にも絵は上手いとは言えないですがこのポップで可愛い雰囲気から繰り出される悪意の塊のような展開の数々が読者に爆弾的な印象を植え付けてくれる作品となっています。

 

ボク個人的にはこのちょっと下手な絵がぶっ刺さりました。

というのもボクもそれなりに漫画は漁っている方ですが

もしこれが綺麗な絵柄だったらいじめを軸に置く数々のマンガの‘‘ただの展開の一部‘‘に近くなってしまうと思うんですよ。

だから逆にこの少し下手な歪な絵柄が恐怖感を煽り最終的には読んだ人の心に残ってしまうのではないかと感じました。

 

例えば線が不安定な絵や不協和音に近い音を聞くと普通の人は不安感や不快感、恐怖感を感じてしまったりして強烈に頭に残ってしまう謎の違和感みたいなモノがありますよね?

この作品はその類の読者の印象に深く残るように敢えてこの絵柄にしているのではないかな、と

まぁ本当に絵が上手くないだけかもしれませんがこの際そんな事はどうでもいいのです。だって僕を含む沢山の人の頭に強いイメージとしてこの絵が残っているのだから・・・。

 

それと上のリンクからマンガを覗いてくれた方には伝わると思うのですが

歪すぎるこの雰囲気の何がヤバいっていうと現実味を含み過ぎているという点。

 

もしこれが現実で作者の置かれた環境だと言われたら信じられるくらいにはフィクションかノンフィクションなのか無意識に疑ってしまうレベルで想像しやすい悪意の暴力であり集団的いじめの光景。

 

これを17歳という若さで描けるのは才能なのかそれとも現実のやりきれなさをぶちまけただけなのかというのは本人にしか分かりませんしね。

 

それと個人的に主人公の母親も先生もコロコロ瞬時に性格が突然切り替わる所が特にヤバいなと思います。

正直、単純に普通に暴力を振るうだけの酷い母親のカットなら僕の想像力でも描けると思います・・・なにがヤバいって狂気の連続をこれだけ歪に描き出せるといういうのが一番ヤバい才能かなと僕は感じました。

展開に依存せず一貫性を通した連続で降りかかる狂気、こんな漫画描こうと思ってもなかなか描けるものではないのではないでしょうか。。。

僕自身は創作家では無いのでこんな事を偉そうにと思われるかと思いませんがこれでも一応オタク、色々なマンガを読んできましたが純粋に凄いと思いました。

 

あと今回の作品を描いた年齢も17歳という年齢に話題性が爆発した感もありますしね。

これからどうなるのか楽しみな先生の一人として密かに追っていきたいです・・・

 

周りの評価と意見

 

上の太田先生のコメントにある

『読者に向かって「この世界はクソだ」と伝えて溜飲を下げているとしたら、その作者の心情を私は否定する。』

という文章、確かに漫画家の一人としての言葉だと感じざる得ない内容ですよね。

この人だけこのマンガの壊れた世界に全く吸い込まれてなく流石ですといった感想・・・

このやりきれない現実をぶちまける方法としてマンガを選んだのならそれこそクソだと、逆にこの地獄の表現をただの創作としてみたら凄い才能だと。

 

他の漫画家の方やこれを読んだ一部の読者の感想としては

Twitterでサーチかけて調べてみたところ同じように

 

「現実を漫画にしたら才能なのか」

 

と、ニュアンス的にこのような感想が割と見られましたし実際に創作に携わっている人間としては現実味を大きく含んでいるこの世界観の評価がとても難しいラインなんだろうな・・・

 

 

他にはこの作品がヤバいとツイートしてバズっているツイートのツリーでは

 

「目を背けたくなった」

「ハッピーエンドになってほしかった」

「マンガなのだから救いがあってもいい」

 

等のフィクションであるべきの漫画なのだから展開に希望があるべきだという人間のエゴみたいなモノが多く見られました。

完全にこの作品にダメージを受けている感じですね。

 

 

これはただの「鬼」であるというのに。

 

 

人間の悪意と思考を蝕む集団的同調思想の恐怖

 

正直な僕の感想を述べさせてもらうと‘‘綺麗な作品‘‘だなと思いました。

頭がおかしいやつかと思われてしまうかもしれませんが敢えてこの言葉を選んでいます。

だって一切の救いが無いんだもの。

1人の少女を蝕んでいるだけのただただ純粋な悪意なんだもの。

救いの無い悪意というものはある意味では綺麗なもので

悪意というものは収集のつかないところまで暴走していくのみだと僕は思うんです。

 

なのでこれは綺麗な悪意のお話だと感じました。

 

まぁ結局のところ現実なんて窮地に立たされた人間が小さな、とても小さな希望を抱いたとして

その希望に手を差し伸べられるなんてものはほんの一握りの人間であって

大抵の人は自分を殺すか、自分が逃げるか、自分が壊れてしまうかのどれかだと思うんです。

 

ないんですよ。

皆が想像するようなマンガの展開みたいにいじめに立ち向かう主人公やそれを助けてくれる強い人間なんて。

 

 

いじめという名の悪意の暴走

 

『イジメの光景』くらい皆さんも見たことくらいあるでしょう?

彼ら、彼女ら暴走してなかったですか?

 

悪意は暴走するんです。

 

と、まぁ漠然としたこと言われてもイメージしずらいかと思いますが振りかざした物に無自覚に悪意が宿るだけで悪意丸出しの行動なんてものは逆に淘汰されやすいんですよね。

 

多くあるイメージしやすいのは例えば暴言。

 

例えばクラスの一人がそれはそれは太っていて汗臭く一般的に想像されるデブ体系でいわゆる陰キャだとして

それを周りの人が不快に思っているシーンの中で仮にクラスのカースト上位の人間がその陰キャくんに確かな悪意を持って「おいデブお前臭いんだよ」と言い放ちます。

周りの人はちょっとひどくないかなと思っている人間も少しはいるかもしれませんが多くの人は確かに太っているし臭いのでなにも言いませんしむしろ乗っかって他の人間も彼に暴言を吐いちゃったりします。

その起きてしまった事象について周りの人間が一度でも同調し加担してしまうと最初に言い放ったカースト上位の人間は自分の言い放った言葉が共感され同調された事によって間違っていないんだという意識が芽生えます。

これが続いていくとどうでしょう最初は酷いと感じていた何も言わなかった人間もそれが〚あたり前に日常の一部〛として徐々に刷り込まれていき多数派の一部として変換されていってしまい

最初に言い放ったカースト上位の人間はそれを良いことに自分はみんなの意見を口にしてやっただけなんだという歪んだ正義感を抱くようになります。

当然そんなカースト上位の彼は初めは少しの暴言から始まったはずが

正義からくる淘汰という名ばかりの悪意に蝕まれ最初はただの暴言だっただけのそれがエスカレートしやがて行動に、または他の人間にと暴走をしていくのです。

 

 

これの何が怖いって当人やそれを取り巻く周りの同調メイツ達がその暴走を暴走だと思えない、悪意からくるものではないと途中から気付かなくなっていきやがてそれが確かな力となって感情を殺し同調してしまった周りの人間の思考を停止してしまう点。

 

 

皆さんもそのくらい心当たりくらいあるでしょう?

 

思考放棄してくだらない後付けの理由で暴走する彼らと何もできない被害者。

 

まぁ同じ空間にいながらその環境に対応してしまった人も同罪などとは言いませんし

何か行動を起こすべきだとまでは僕が言う必要もないですし

むしろこれ見てそのくらい当たり前でしょって思った人が大半だと思うんですよ。

 

じゃあなんでその当たり前の事実をこう長々話しているかというと

ポンポコが最後に言った

「私もね、私が叩かれたり暴言言われたりするのイヤなんだ」ってセリフ。

これが結局のところ本質情報であり覆せない人間の性なんだと気付き心に留めて置きたい言葉なんだということ。

 

何が起きようとこれは覆せない。

そこのイジメられたことのある人もイジメたことがある人も現在進行形の人も結局自分が一番可愛い。仕方のないことなんです。

 

まぁなので結局スクールカーストやいじめはなくならないし

これといって怯えるべきではないとも言いたい。

 

それと我々大人には縛るものが多すぎて大体のイメージは学生の頃の理不尽な行いを目の当たりにした記憶を辿るかと思うんですが大人にだってあるんです、無自覚な悪意の暴走くらい。

大人のいじめの方が陰湿で荒くそれを隠すための狡猾さも備わっているので性質が悪い、逃げずらい。

 

割と世界なんて小さいし汚いもんだからもし省かれたりいじめられてきた人は原因回帰して少しでも自分を変えるか逃げるかしないといけない。

良くないとは言わないが引きこもるより外に出たほうが人生は潤う。

そんな世界なんですよ。

 

最後に

 

 

この作品を読んで自分の世界とリンクさせずに漠然と怖いやら悲しいやらの感想しか得られなかった人間こそが僕はむしろ一番危険であり悪意に対しての抵抗が薄かったりするのではないか

もしそれだけしか感じえなかったのなら早急に自分の世界とリンクさせてみてほしい。

自分では弱いかもしれない、自分の一番大切な人がもし・・・と置き換えて考えてみるといい

それで少しでも不安感を得られるようなら貴方はきっと変われるし少しだけ強くなれる。

 

過去の傷は消えない

でもたった些細な気持ちや変化で全ては変わるし

世の中では意外とコンプレックスだったり環境を変える術も少ないわけじゃない

 

もし加害者ならきっとこんな文章できっと変わるはずなんてないし

鼻で笑い飛ばすだけかもしれないしまぁそんな事は僕の知ったことじゃない。

見つめ直すだけ、それだけしてみる分には無駄じゃないはずだと思うよ。

 

もし被害者なら深く考えず被害者の方はつらい現状にある貴方を少しでも楽にしてあげる事を考えてみてほしい。

虐げられて自分を見失って全部自分のせいなんだって思う事もあるけどきっとそれを抱えられる人間はそんなに弱くない。

逃げたらいい。逃げるのは負けじゃないと僕は思っているし少なくとも行動に移せるののならそれは自分の事を大切に出来る機会だからじっくりのんびり逃げよう。

 

 

持論交じりの雑な文章構成だなと思うけどまぁ仕方ない。もう眠いから

 

また次の記事で~